地域活動報告

歴史

地域のご紹介:福島県会津若松地域

福島県会津若松地域(会津若松市・猪苗代町・下郷町)は、観光マスタープラン整備事業のモデル地域として選出されました。ここでは、まず会津若松地域の概要、現状から今までの取り組み、現在存在する課題をご紹介します。

福島県会津若松地域:現状と概要

モデル地域として選出された会津若松地域3地域の各人口は

  • 会津若松市:121,010人(2018年7月1日現在)
  • 猪苗代市:14,474人(2018年6月3日現在)
  • 下郷町5,800人(2015年現在)

となっており、その中でも会津若松市は、年間延べ宿泊者数719,204人(うち外国人が11,757人)が訪れる観光地区のひとつです。地域には史跡や歴史、サマー・ウィンタースポーツ、温泉、食などの恵まれた資源があります。また、スマートシティ会津若松の推進を掲げ、産官学連携のもと、ICTを活用したまちづくりに取り組んでいます。

観光資源溢れる会津若松

会津地域は福島県の西部に位置し、幕末の歴史において著名な会津若松市をはじめ17市町村で構成された地域です。会津地域全体の面積は千葉県とほぼ同等。広大な面積を有しています。また、観光資源が豊富な地域でもあり、

  • 武家・仏教文化など地域に根付いた暮らしの文化
  • 幕末の歴史や鶴ヶ城などの史跡
  • 磐梯山や猪苗代湖を始めとした自然
  • 自然を活用したサマー/ウィンタースポーツ
  • 喜多方ラーメンや日本酒などの食
  • 日本の原風景や風光明媚な温泉

が域内の各地に存在しています。

国内観光客は年間約1,700万人

これら豊富なコンテンツを有していることより会津地域における国内外観光客全体では年間1,700万人(2014年:RESASデータ参照)。しかし、福島県全体で見ても外国人観光客は1万6,000人(2014年)と観光客全体の割合からすると極端に少ないのが現状です。

今後、外国人観光客を増加させるためには、

  1. 会津地域の豊富なコンテンツを統合化し、魅力的なソリューションに創成
  2. 外国人観光客に長期滞在・リピートしてもらうための拠点の設置

上記2点が必要と考えています。

福島県会津若松地域:これまでの取り組み

会津若松地域ではこれまで大きく分けて2つの取り組みを行っています。

ICT活用でスマートシティ会津若松へ

会津若松市では地方創生モデル都市として、改正「地域再生計画」の認定第一号を獲得しており、全国の自治体に先行して地方創生のために各取り組みの推進を宣言しています。

2013年年2月には、市の政策の方針を示す「施政方針」と、本市の活力再生の施策を掲げた「地域活力の再生に向けた取組み~ステージ~2」において「スマートシティ会津若松」の推進を掲げ、以降、産官学連携の下、ICTを活用した街づくり・産業活性化を推進しています。

市はこれまでに、

  • 他都市に先がけ産業横断的にビッグデータを活用するための共通オープンデータプラットフォームの構築
  • データを分析する人材育成
  • ICT及びデータを活用した観光、医療、エネルギー、農業などに係る先端ICT関連事業の実施や実証

などを推進してきました。また、ICT関連産業集積に向けたオフィス整備の計画(500名規模、2019年2月竣工予定)を進めており、ICT関連企業の誘致活動も積極的に行っています。

仏都文化の発信とインバウンド観光

観光分野においては、広域連携として会津地域17市町村で構成される「極上の会津プロジェクト協議会」を中心に、会津の仏都文化の継続的な発信に努めています。2016年には会津の三十三観音めぐりが日本遺産に認定された実績や、各市町村連携の強化に向けた観光協会間の情報交換、組織間連携の動きなども出てきており、会津地域全体で観光産業への取り組みは活発化しています。

また、インバウンド観光においては、2016年より会津地域スマートシティ推進協議会において会津地域7自治体(会津若松市・喜多方市・下郷町・会津美里町・西会津町・北塩原村・湯川村)が参加するデジタルDMOプロジェクト組織を組成。会津地域一体となった訪日外国人観光向けの誘客推進を実施しています。具体的には、

  • 外国人の目線で売り出す観光資源のとりまとめ
  • 周遊ルートの策定
  • ブランディング戦略の策定

を行い、総合的な窓口となるDMOのポータルサイト(https://aizuwakamatsu.mylocal.jp/trip/、VISI+AIZU)も整備しています。
これらを活用し、デジタル(SNSや動画ツール等)を活用した効率的な会津地方のPRを図り、会津地域の観光資源や各事業者の店舗などを紹介。外国人旅行客への旅行前の需要の喚起や会津地域の認知度向上を図っています。

福島県会津若松地域:課題

会津地域の認知拡大に向けた情報発信により、誘客面については一定成果を得られつつあります。しかし、一方では受入に向けた環境整備は不足しているとの認識も。今後、外国人観光客の受入を活性化させていくためには、

  1. 受入側(地域住民及び観光関連事業者)の意識改革・人材育成
  2. 言語対応、通信・決済環境などの基本インフラの整備
  3. 長期滞在、リピート滞在に向けたサービス業強化(宿泊、飲食など)
  4. 点在する観光スポット結ぶ2次交通整備
  5. 既存観光資源の磨き上げ
  6. 受入環境整備に向けた資金調達、労働力確保、維持継続のためのサポート体制構築

が必要と考えており、優先順位をつけて取り組む必要があります。

1.受入側(地域住民及び観光関連事業者)の意識改革・人材育成

メインとなるターゲット(対象人種、国)を設定した上で、中核となる団体や事業者が中心となり、

  • 事業者・住民向けセミナーの開催
  • 相談窓口の設置
  • ボランティアガイドの充実
  • 地元住民の受入への理解促進

など、受入を進めるための組織的な活動を進める必要があると考えています。

2.言語対応、通信環境などの基本ツールの整備

一般的にインバウンド対応に向けて必要な取り組みとして、

  • Wi-Fi使用可能エリアの拡大
  • 外国語での接遇
  • 多言語表示
  • 予約・決済方法の見直し
  • 宗教上の配慮
  • 共同浴場の使用方法や食事の説明

などが必要とされます。会津若松、猪苗代、下郷の各地区いずれの各観光施設・公共交通機関においても対応が不十分な状況が課題のひとつです。

3.長期滞在、リピート滞在に向けたサービス業の整備(宿泊、飲食など)

高速道路の整備や新幹線の本数増加などにより、首都圏はじめ大都市圏からの日帰り圏になりつつあ会津若松地域。そもそも滞在時間も短くなっているのが現状です。加えて、長期契約型の宿泊施設、嗜好性にあった食事が提供できる飲食店、外国人が好むナイトアウト(夜に営業する飲食店)など、他の国際的リゾートが提供している基本サービスが不足しており、現状は長期滞在に対応する環境が整っていない状況でもあります。今後安定した観光収入を維持確保していくためには、これらの基本環境やサービス整備を起点にしつつ、気候バラエティに富む景観、日本酒や地場野菜を使った伝統的な食事、旧来から続くおもてなし要素を加え、“会津ならでは”のサービスを展開することで、長期滞在客を獲得する必要があります。

宿泊業で付加価値・従業者数において特化係数が高いことに比べ、飲食行やその他サービスにおける平均以上の付加価値が提供できていないのも課題です。また、いずれの分野においても労働生産性が低くICT等を活用した生産性の向上に向けた取り組みなども必要になってきています。

4.点在する観光スポット結ぶ2次交通の整備

今回の刊行マスタープラン整備事業では、広域での観光活性を念頭に置いており、最寄り公共交通機関からの各観光スポットへの2次交通の強化が課題となります。利便性向上に向けては、今年度3月に実証実施したICTを活用したタクシーのライドシェアモデル実用化など2次交通手段の施策検討・実現が重要になります。

5.既存観光資源の磨き上げ

会津には、既存の観光資源として

  • 宿場町「大内宿」、「磐梯山」や「猪苗代湖」の自然、「鶴ヶ城」や「さざえ堂」などの史跡
  • 「芦ノ牧」、「東山」などの由緒ある温泉街
  • 「会津絵ろうそく祭り」、「大内宿雪まつり」などの世界では珍しい冬のイベント
  • 「喜多方ラーメン」、「大内宿ネギそば」などの麺文化

など、年中楽しめる観光資源が点在しています。しかし、それら既存の観光資源は外国人観光客の受入に向けた施設設計やサービス設計となっていないケースが多く、各々の嗜好を整理した上で、適切なルートの開発と周遊した際に不便しない施設・設備の整備、サービスの開発を同時に進めていく必要があります。

6.環境整備に向けた資金調達、労働力の確保

上記5つの取り組み推進にあたり、環境整備・運用していくための資金、外国人観光客対応に従事する労働力、地域のまちづくりとして取り組んでいくためのサポート体制の構築が必要となります。
地域住民や地域事業者の協力を得て地域全体で合意形成しながら推進することに加え、永続的に環境構築・維持していくためには、ターゲット国の事業者及び協力者を誘致し、資金の確保やサービス構築を推進する必要があると考えています。
また中長期を見据えた永続的な街づくりに繋げていくためには、実際にサービス提供を担う労働力の確保も必要です。少子高齢化に伴う労働人口減が進む会津地域において、現状の事業者、住民のみで、必要な労働力を確保するのは難しく、国内外からの企業誘致・受入は必須です。なお、「国際交流を求め、日本文化に憧れを持つ、ホスピタリティの高い労働者」を確保するためには、年間通した労働機会提供が必要であり、「夏は道の駅や農業、冬はスキー場等リゾート」など、地元産業との連携した就労支援と、ITなどを活用したマッチング機会創出サービスの提供も必要になるでしょう。

福島県会津若松地域、観光マスタープラン整備事業に参画します

今回、観光マスタープラン整備事業に参画する福島県会津若松地域。現在の状況とこれまでの取り組み、また現段階での課題もお分かりになったでしょうか。インバウンドの観光を誘致するためにも、観光マスタープラン整備事業によって、地域の整備を推進していきます、

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